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バイオリンのニスのはがれと補修について

筆とニスとカラー

さまざまな樹脂をアルコールもしくはオイルに溶かして使用するバイオリンのニスは演奏中に手や首、弓毛にこすれて薄くなったり、気温や湿度などの要因によって変質したりします。

ご自身の楽器の状態を日々チェックし、その時々によって適切に対処することが重要です。

この記事ではニスがはがれる原因と補修方法についてお話します。

目次

まずは知るところから!ニスがはがれる原因と種類について

コーナー ニスはがれ

肩、ネックのニスはがれ

ニスはがれの原因としてまず考えられるのは演奏中に手などが接触することによるものです。
ハイポジションを弾く際などに皮膚がニスとこすれることによって少しずつ薄くなっていきます。
徐々に薄くなるため、変化を見分けずらいです。
”他より色が薄くなっている””表面がざらざらしている””なんだか黒くなってきている”などこのような状態に気づいた場合には専門家に相談してみましょう。

また汗をたくさんかく方ですと、汗を木が吸収することで塩分によって表面がもろくなり、ニスがはがれる原因になります。
涙や唾液などでもニスの表面に跡がついてしまったりする原因となります。
こちらは完全に防ぐことは難しいですが、マメに汗を拭きとるなどすることで症状を緩和することができます。

爪やアクセサリーなどがあたって削れることもあります。
この場合の傷は深くなることが多いので注意が必要です。

ニスがはがれやすい箇所としましては上の写真のようにネック横の肩の部分、アゴや首が当たる底部、弓でこすってしまうことのおおいコーナーの部分などです。

環境要因とは?温度と湿度による変化について

表板のニスはがれ

ニスに含まれる樹脂は温度や湿度の変化に敏感です。
高すぎるとニスが溶けてやわらかくなることがあります。
ニスがやわらかくなると、ケースの中で触れ合った時にニスの表面に跡が付いたり、毛やごみなどが付着したり、演奏中に手が触れて跡になったりします。

これらの症状を防ぐためには、涼しい冷暗所に保管することが好ましいです。
直射日光をさけて、涼しい部屋に保管しましょう。湿度は40~60%くらいが理想です。
また、ケースに入れっぱなしにするのも良くないですので、長期保管する場合にはたまに蓋をあけてあげましょう。

それ以外ですとアルコールを多量に含むウェットティッシュやシンナー・ベンジンなどでクリーニングするのも危険です。
ニスの変質などを招く恐れがあります。
方法としてはやわらかい布を使用して空拭きもしくは水拭きをしましょう。その後は表面の水分をよく拭き取ってください。
(まれに水溶性のニスを含む場合があります。目立たないところでお試しいただくといいと思います。)

ニスの補修方法について

ニス補修後

ニスのはがれた際に最も注意するべきことは、木の腐食や汚れについてです。
ニスが完全にはがれてしまい木が露出してしまうと、手や首の汚れ、空気中の油分やほこりなどを吸い込んで黒くなってしまったり、水分で木がふやけてボロボロになってしまいます。

写真は過去にニスの補修した楽器ですが、フチの部分にシミが残ってしまっています。
シミ抜きの方法はありますが、その効果には限界がありますので、こうなる前になるべく早い対処をお願いいたします。

ニスの補修工程は大きく分けて3つです。
①木材の下地の調整 ②色合わせ ③保護ニス
詳細については別の記事で紹介します。

色合わせや保護ニスの塗りなおしのみであれば数時間~1日、長くても2,3日で完了いたします。
1か所につき1000円程度承っております。
木材までニスがはがれている場合は1週間から1か月ほどかかる場合があり、費用も5000円~となってしまいます。

点検は無料ですので、気になっている場合はお早めにご相談ください😁


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