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バイオリン作りのお話 ~型(内型)について~



今回はバイオリン製作についてお話します。

楽器の形状を決める大事な作業”型”の作製についてお話します。僕も製作学校時代に自分のオリジナルの型で楽器を作ろうと思いいくつか作製しました。

少し小話を交えて説明しますので一読いただけたら幸いです。

目次

型ってどんなもの?

型(テンプレート)

内型 木枠

”型”というのは二つのパーツからなります。写真一枚目の型(テンプレートともいう)と二枚目の内型(木枠)の二つです。

テンプレートは材質に決まりはありません。よく使われるのはトタン板や真鍮板などです。僕のはステンレスで作られていますが通常ステンの加工は手作業では難しいため使用しないです。
アクリルや薄い木の板などでも作れます。手に入れやすく加工しやすい材料を使うのがいいでしょう。

木枠はある程度の強度があって、変形しづらいものを使用します。シナなどの合板を使用する場合、MDFなどの集成材を使用する場合、ひとによってはアクリルや金属で行う場合もあります。

型の使い方

型には”内型”と呼ばれるものと”外型”と呼ばれるものがあります。一般的に外型は量産向きとされており、僕自身も使っていないため今回は内型を参考にお話しします。
型は写真のように内側にセットして使います。ネックの部分、エンドの部分、4つのコーナーそれぞれに”ブロック”とよばれる補強の木が取り付けられています。そのブロックとブロックをつなぐように側板が接着されるのですが、その際に側板の曲げの曲線を決めるガイドの役割を果たすのが型です。

また最終的にはブロックと側板、それを補強するライニングのみとなり、中は空洞になるため仮に型がなかった場合は徐々に変形を起こしてしまい、せっかく製作した表板や裏板と合わなくなってしまうのを防ぐ意味もあります。

型の製作方法 その①

有名な製作家の楽器はこのようにポスターになっている場合があります。ポスターによって内容は異なりますが表面に原寸大の写真、裏面には幅や厚みなどの寸法が載っています。
また原寸大で出力できるのであれば、楽器の表板もしくは裏板の写真一枚からでも型を作製することができます。
写真はアンドレアアマティのものですが寸法がバロック仕様のため短いです。初めて作るのであればストラディバリが良いでしょう。

【作製方法】
型は金属のテンプレートから先に作ります。
みなさんの楽器を見ていただくとわかりますが、バイオリンにおいて表板のアウトラインは横板よりすこし出っ張るように作ってあります。(写真3枚目)
この部分を”オーバーハング”などといったりしますが、まずはこの数値を決めます。私はここを2.3mmとしています。

先の説明で型の周りに側板がつくことはわかっていただけたと思います。
つまり、ポスターの写真の表板アウトラインからオーバーハング+側板の厚み分だけ内側に入った位置が型の枠線となります。

例)側板を1.2mmとすると2.3mm+1.2mmで3.5mmです。

楽器にもよりますが、パフリング(表板の黒い2本線の象嵌)の位置がアウトラインから3.5mmくらいであった場合、外側の線をなぞればそのまま型の線となります。線に沿って金属板を糸鋸で切り出し、やすりで仕上げましょう。

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型の製作方法 その②

テンプレートは片側のみで大丈夫です。反転して使えば両側取れます。ネック側とエンド側に2か所、バイオリンの中心線が通るように穴をあけます。
木枠となる木板にも同じ位置に穴をあけ、金属のピンで二つのパーツをつなぎます。

テンプレートの輪郭をなぞって木板に写し、木板を同じ形に削ります。(木枠は両側なくてはなりません。)このとき木枠の側面は側板やブロックを取り付けるため正確に直角が出ている必要があります。

最後にブロックを取り付ける位置を切ります。
ブロックの大きさに決まりはありませんが、僕はネックブロック50×18mm、エンドブロック45×15mm、コーナーブロック12×23mmくらいで切っています。

型の製作方法 その③

ネックはテンプレートのみです。直接木材に当てて型抜きするのに使います。

こちらは単純にポスターの輪郭をなぞるように移します。渦巻の部分は写真のように小さな穴を並べて開けるようにしましょう。
ネックの長さはナットの端から大体142mmくらいです。少し長めにしても問題ありません。

最後に

今回はざっくりと型について説明しました。今後また気づいたことがあれば追記します。
また質問などお寄せいただければそちらも説明させていただきます。

では失礼します🙇

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