バイオリン製作について【製作の準備編】
バイオリンの製作方法についてお話したいと思います。
これからバイオリンを始めたい方もすでに演奏されている方も製作の工程を知ることでもっと楽器が好きになっていただけるように
また、趣味でバイオリンを製作する方に少しでも参考になればと思い記事を作製いたしました。
必要な道具から一つ一つの工程や細かい注意点などなるべく丁寧に解説いたします。
目次
木材を揃えよう
バイオリンに使用される木材は表板、裏板、横板、バスバー、ネック、指板、ライニング材、ブロック材です。
これ以外にも魂柱、駒、ペグなどのパーツ類もありますが、別の記事にて紹介します。
それぞれの部位に使用される木材には決まりがありますので、順番に説明したいと思います。
木材の購入方法
木材の購入は可能であれば実際に目でみて選んだ方がいいです。
木材の品定めは難しいですが、表面の模様が自分の好みであるかを見るにはやはり実物の方が良いです。またねじれが強かったり、節があったり、割れがあるなども見ることができます。
木材を選ぶ際に初心者の方がまずチェックするべき点はなるべく厚みや幅に余裕がある材を選ぶことです。最初は削りに失敗したり必要以上に削ることがありますので寸法ギリギリの材料は不安があります。
材料はヨーロッパ材や北米材を輸入します。通販で購入することもできます(下記にリンクとして製作道具や材料の通販サイトDictumのリンクを載せておきます)
代理店も数多くありますのでそちらで選ぶのが良いでしょう!(リンクに僕がいつも利用させていただいている台東区駒形のお店のリンクを貼ります)
表板について
表板の材質はスプルースと呼ばれるマツ科の木材を使用します。(ドイツトウヒと呼ぶこともあります。)
一般的には木目が等間隔できれいに並んでおり、その間隔は狭く詰まっている。木目がまっすぐに走っているものが良いとされています。
真ん中に切れ込みが入れてあります。これにそって材料を二つに割り、”ブックマッチ”と呼ばれる本のページを開いたような形に開いて中央を接着して使用します。
木目の間隔が広い材料の方が安いですが削りにくいです。まれに”ハーゼ”と呼ばれる三日月型の模様が浮いているものがあります。繊維のねじれによって密度が詰まっていますので独特の美しい模様ですが削りづらいです。(ハーゼとはドイツ語でウサギの意味です。ウサギの足跡に見えることかこう呼ばれるという一説があります。)
裏板について
裏板はメープル(カエデの仲間)です。
メープルの表面には繊維のうねり”杢”(横に走っている縞模様)があるのが特徴です。
木は美しい外観を得られますが削りにくいこともあり、初心者の方はあまり模様の濃いぎらぎらしたものは選ばない方が良いです。
表板と同様にブックマッチで使用します。これを二枚甲といいます。
一枚の単板で作ることもあります。また、ポプラを使用することもあります。
横板について
横板(側板)はメープルです。
通常3枚一組で売られています。
裏板の杢の幅や太さ、向きとのバランスを見ながら選びます。
厚みは最終的には1.2mmくらいにしますが、購入時には厚みが2mmくらい十分にあるものを選びましょう。
ネック材について
ネック材もメープルです。
裏板、横板の杢に合わせてバランスの良いものを選びましょう。
大きい材料を選べば2本とれることもあります。
指板、ブロック材、ライニング材について
指板はすでに半加工されているものを選びましょう。色が全体的に黒く、繊維がまっすぐでうねりのないもの、また節がないものを選びましょう!
指板は製作工程の終盤で使用しますので後述します。
ライニング材は表板の端材からとることができます。こちらも後述いたします。
ブロックは写真にあるような材料を使用します。スプルースで作ることがあり、専用の材料も販売されていますが、この部分に関してはそれほど材質にこだわる必要はありません。
やなぎで作ることもできますし、杉の角材などから切り出して使用しても問題ありません。
今回の記事はここまでです。
次回は型を用意するところから解説いたします。
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